この連載では、土壌汚染調査へのさまざまな疑問にお答えします。
土壌汚染調査のご依頼を受けた際、私たちは以下の3つを質問をすると思います。
①「土壌汚染の調査をおこなう土地の広さはどれくらいですか?」
②「前にどんな建物が建っていたかの履歴がわかりますか?」
③「今、その土地はどういう状態ですか?」
この3つをお伺いするのには、きちんとした理由があります。
①「調査をおこなう土地の広さはどれくらいですか?」
平成22年 環境省の発令により「土壌汚染対策法」が施行されました。
3000㎡を超える敷地面積で、土地の形質変更や、売買譲渡をおこなう場合、
環境省・厚生省の指示に則った土壌汚染の調査をおこなう必要があります。
土地の広さを聞く理由は、その敷地の面積が3000㎡が超えるか否かで
法定検査と自主検査、どちらをおこなうかが決まるからです。
ただし、敷地面積が3000㎡を超えない場合でも、土壌汚染の調査が必要なことがあります。
②「前にどんな建物が建っていたか、わかりますか?」
もともと建っていたものとは違う使用方法のものを建てること、
これを形質変更といいます。
たとえば、ガソリンスタンドの跡地に老人ホームを建てる、など。
3000㎡を超える敷地面積でなくても、
土地の形質変更をおこなう場合は、土壌汚染調査が必要になってきます。
ガソリンスタンドや工場のように、薬品・油類・洗剤の使用形跡のある土地では、
土壌が汚染されている可能性が考えられるからです。
過去、この土地がどのように利用されてきたかを知るには、
土地利用履歴(地歴)を調べる必要があります。
地歴をさかのぼる目安は、だいたい30年ほどです。
③「今、その土地はどういう状態ですか?」
土壌汚染調査のために掘削する土地は、すでに更地なのか?
建物がまだ残っているのか?もしくは、他の土地から土を運んできたあとなのか?
これによって、掘削時の対応が変わります。
もし建物がまだ残っていれば、取り壊しを終えてから掘削、
他の土地から土を運んできたのであれば、その土はすべて取り除かなければなりません。
3つの質問へのお答えと、該当地の地図、敷地図(測量図)などをもとに、
調査方法、お見積り、分析検体数、分析に必要な期間を割り出します。